ビザ・ワールドワイド

 世界で広がるVisaの非接触決済、日本での普及が進む
「Visaトークンサービス」、「3-Dセキュア2.0」でセキュリティも強化

 絶え間なく技術が進化する中、決済にかかわる快適・便利な顧客体験を提供し続けるため、ビザ・ワールドワイド(Visa)ではさまざまな観点からサービスの改善・開発を行っている。最新の取り組みとして、導入店舗数が加速度的に増加しているVisaの非接触決済、不正使用から機密情報を守りながらあらゆるデジタル決済シーンをサポートする「Visaトークンサービス」、バージョンアップした非対面での本人認証強化策「3-Dセキュア2.0」を紹介する。

加盟店が拡大するVisaの非接触決済
レジスピードアップで顧客満足度向上

サインや暗証番号不要1、かざすだけで瞬時に決済が完了する、EMV対応のVisaの非接触決済の利用範囲が広がっている。TSUTAYA、ZARA、ブックファースト、自動販売機、さらには地方の地元密着型スーパーなどさまざまな業種で導入が進み(一部店舗では未対応)、特に2017年後半からは、加盟店数が加速度的に増えているという。

Visaの非接触決済は、店頭での、Visaブランドカードのより便利な支払い方法。Visaのクレジットカード、デビットカード、プリペイドカードのいずれも対応可能である。

加盟店にとって導入の最大のメリットは、会計速度の向上だ。同社が調査機関に依頼して行った調査結果(出典:M-Theory2016)によると、現金取引の場合に決済にかかる時間が1件当たり10~23秒であるのに対し、Visaの非接触決済の場合は4~12秒で済む。

一方、消費者は、「レジ行列を見て帰った経験がありますか」との問いに、カフェで39%、ファーストフードで37%、コンビニで29%など高比率で「はい」と回答している。レジスピードを向上することは、販売機会ロスの低減、顧客満足度の向上、売上増に直結する重要な課題。Visaの非接触決済は、この課題解決の一助となり得る上、店頭でのレジオペ改善を通じて人件費を含む生産性の向上につながることを評価する加盟店も多いようだ。

訪日外国人観光客が増加する中、インバウンド対策としても、非接触決済の導入は必須である。世界各国のVisa対面取引件数に占める非接触決済の比率を見ると、2015年の訪日外国人数国別ランキングのベスト10に入っているオーストラリアでは92%、シンガポールでは63%、台湾では44%、香港では34%2と、ごく一般的な支払い方法として定着していることがわかる。

この傾向はますます進み、2020年には全世界で発行されるカードの半分に、非接触機能が付くと予測されている(出典:Jupitar Research)。いよいよ日本でも、この流れが加速する気配だ。

ビザ・ワールドワイド・ジャパン デビット事業統括部 商品企画 部長 寺尾林人氏

「2018年が、日本における、本格的なEMVベースの非接触決済元年になると見ています。2017年も、発行会社様、加盟店様双方でご対応事例が増え始めましたが、並行して、加盟店様をサポートする多くのアクワイアラ様、端末メーカー様、ネットワーク会社様での対応が完了したことや、業界団体様が非接触対応の為のPOSガイドラインを発行されたことが大きい。加盟店様が対応を希望された時の土台となるインフラ整備が大きく進んだと言えます。現在、多くの加盟店様が、EMV対応についての準備を進められていますが、これと合わせて、EMVベースの非接触決済の導入が進むことになると思います」(ビザ・ワールドワイド・ジャパン デビット事業統括部 商品企画 部長 寺尾林人氏)

同社では2020年に向けて、大きく2つの目標を掲げている。1つは、Visaの非接触決済を、ほとんどの日常利用加盟店、多くのその他加盟店で利用できるよう普及させていくこと。もう1つは、すべてのカードホルダーにとって、日常利用における最も一般的なインターフェースにすることだ。

2018年はさらに国内の発行会社数、発行枚数共に増加する見込みであるという。日本においても、加盟店とエンドユーザーの双方に利用のメリットが浸透すれば、国内での普及拡大が加速する可能性は十分にあると言えよう。

デジタル決済「Visaトークンサービス」提供
一律の高いセキュリティ・レベルを維持

「Visaトークンサービス」は決済のデジタル化とセキュリティを両立させたサービスだ。技術の進展により、消費者や加盟店が利用する決済デバイスは、多様化の一途をたどっている。結果、この組み合わせによって、セキュリティ・レベルの高低に差が生じる可能性も指摘されている。そこでVisaでは、デバイスに依存せず、どのような場合にも一律の高いセキュリティ・レベルを保持できるようにするために、セキュリティ・プラットフォーム「Visaトークンサービス(VTS)」を提供している。

VTSは、カード情報をトークンに置き換え、顧客の機密情報を不正使用から守りながら、モバイル、EC、IoTなどを介したデジタル決済をサポートするサービス。トークンを安全に保存する「Visaトークン・ボルト」、決済ネットワークや端末上のトークンを管理する「トークン管理ツール」、高リスクな取引についてアラームを出したり停止したりする「Visaリスクマネージャー」などのツールからなる。

「カード情報を、大元のところで、全世界ベースで一元管理することによって、安全性を確保する、という考え方に立って構築されたサービスです。技術がより進化し、将来的にデバイスが多様化した場合にも十分使える仕組みだと自負しています」(ビザ・ワールドワイド・ジャパン デジタル・ソリューション&ディプロイメント 部長 鈴木章五氏)

ビザ・ワールドワイド・ジャパン デジタル・ソリューション&ディプロイメント 部長 鈴木章五氏

VTSはEMV準拠のトークン技術であり、海外の「Apple Pay」や「Google Pay」で採用されている。また米国では、ウェアラブル健康機器の「Fitbit(フィットビット)」や映像ストリーミング会社の「NETFLIX(ネットフリックス)」でも使われている。日本では本格稼働はまだ先だが、検討段階に入っている。

「デバイス、ウェアラブル機器、IoT製品などのメーカーや、すでに大量のクレジットカード情報を保有している事業者から、数多くお声がけをいただいています」(鈴木氏)

トークンは、1つのカード番号に対し、最大99個まで紐づけることができる。例えば、ある特定のトークンは特定の加盟店でしか使えないように設定することも可能。こうしておくことで、万一その加盟店で情報が漏えいした場合にも、被害を最小範囲にとどめることができる。また、有効期限を、紐づいている元のクレジットカードよりも短く設定したり、利用金額や回数の制限を設けたりすることも可能だ。トークンはこういった点でも有効なセキュリティ手段と言える。

様々な決済シーンでのトークン化

世界中の決済エコシステムへの普及

VTSを利用するには、同社とダイレクトに契約を結ぶ方法と、同社がTSP(トークン・サービス・プロバイダ)と呼ぶパートナー企業経由で導入する方法の2通りがある。同社では今後も積極的に協業先を募り、トークン技術を拡げていきたい考えである。

VTS 構成概念図

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